
「なんだか元気がでない」「理由もなく泣けてくる」
この小さな雨雲の正体は、体の中で起きているホルモンバランスの変化です。
更年期は、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少し始める時期。
このエストロゲンは、単に体の調子を整えるだけでなく、感情や心身の不調にも深く関わっています。
ホルモンが引き起こす「心の不安定」
エストロゲンは、気分を安定させる神経伝達物質(セロトニンなど)の働きをサポートしています。そのため、その分泌が減ると、以下のような心の不調として現れやすくなります。
- 感情のコントロールが難しい:ちょっとしたことでイライラしたり、急に悲しくなったりと、感情の波が激しくなります。
- 強い不安感や焦燥感:明確な理由はないのに、漠然とした不安に襲われたり、落ち着きを失ったりすることが増えます。
- 意欲・興味の低下:以前は楽しめた趣味や活動に興味が持てなくなったり、家事などの日常的な行動をするのが億劫になったりします。
- 心身の不調:夜中に目が覚める、朝まで休めない、頭痛、めまい、動悸など、心身が乱れることによる身体症状を伴うことも少なくありません。
これらの症状は、あなたの「気の持ちよう」や「怠け」ではありません。
体の中のホルモンという、自分ではどうにもできない部分の変化が引き起こしている病気のサインだと理解することが、回復への第一歩です。
雨の日を乗り切るための3つの「雨宿り」法
更年期うつの症状は、放っておくと悪化することもありますが、必ず回復します。大切なのは、「頑張る」ことより「休む」こと。そして、雲の切れ間から光が差すのを待つための「雨宿り」の場所を見つけることです。
1. 「ゆっくり休む」を具体的な行動にする
「休む」と言われても、何をしたらいいか分からない、という方も多いかもしれません。ここでは、心が疲れているときに効果的な、具体的なセルフケアの方法をご紹介します。
- 意識的にデジタルデトックスをする:スマートフォンの画面から出るブルーライトは、睡眠を妨げ、脳を興奮させてしまいます。寝る1時間前には画面を見るのをやめ、代わりに温かいハーブティーを飲んだり、静かな音楽を聴いたりして、心と体を休ませましょう。
- 日光を浴びる:心の安定に不可欠なセロトニンは、日光を浴びることで活性化します。たとえ10分でも、朝の光を浴びながら散歩したり、ベランダで深呼吸したりする時間を設けましょう。
- 五感を心地よく刺激する:アロマテラピー(ラベンダーやオレンジなど)や、肌触りの良いパジャマに変えるなど、嗅覚や触覚を優しく満たしてあげることで、心地よさを得られます。
2. ひとりで抱え込まない「相談先」をチェックしておく
更年期の不調は、周囲に理解されにくいことも多く、孤独に感じてしまいがちです。しかし、専門の知識を持った人に相談することは、回復への最も確実な道です。
- 婦人科・更年期外来:ホルモンの変動が原因であるため、まずは女性ホルモンを専門とする婦人科の受診が第一選択です。
- 地域の相談窓口:自治体の保健所や地域包括支援センターなどでも、心身の健康相談を受け付けている場合があります。まずは誰かに話を聞いてもらうだけでも、心の負担は大きく軽くなります。
3. 「完璧」を求めないこと
更年期を迎える女性の多くは、仕事や家庭で責任ある立場に立ち、「しっかり頑張らなければ!」というプレッシャーを抱えがちです。しかし、ホルモンバランスが不安定な時期は、心と体に100%のパフォーマンスを求めないことが何より大切です。
- 優先順位を「自分」にする:家事がおろそかになっても、人に頼んでも、あなたは価値ある存在です。この時期は「体を休ませる」「大切なのは自分」を最優先事項にして、手放せることは思い切って手放しましょう。
- 自分に優しく、甘えさせてもらう:辛い時はできなくて当たり前と割りきって、家族に甘えられるなら、思いきり甘えてみましょう。甘えられる人がいないのなら、毎日最低限の範囲で、できることだけやる。
あなたの心は、ちゃんと晴れる力を持っています。必ずまた穏やかな光が差し込む日が来ます。これまで頑張りすぎた自分をゆっくりと、そして優しく休ませてあげましょう。
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